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#地域を支える方のインタビュー
外国人職員も みんな一緒に働く仲間 思いを受け止め よりよい未来へ
特別養護老人ホーム竹水園 さん
- 取材時期
- 令和7年7月
―――特別養護老人ホーム竹水園の門馬広毅理事長、菅野拓施設長、ウルジーバートル オドンチメグさん(モンゴル出身)、チェリートゥンさん(ミャンマー出身)、ユニットリーダーの松石雄年さんにお話を伺いました。
Chapter.01
10年20年先を見据えた人材確保
竹水園は2022年に外国人職員の受け入れを始め、現在園で働く職員122人のうち18人が外国人です。「介護業界の人材不足が深刻になる前に外国人を受け入れてノウハウを蓄積したいと考えたのが決断したきっかけです」と理事長。「現在は介護職員の数は充足している状況ですが、10年、20年先を見据えるとマンパワーが不足するのは避けられません。これからも法人が事業を継続していくために、何らかの準備が必要だと考えました。」
18人の外国人職員の皆さんはモンゴル、ミャンマー、ネパール、タイの4か国から来日し、園では日本語で会話しています。「当初は正直〝労働力〟を受け入れるという感覚がどこかでありましたが、外国人職員と日本人の新卒職員が一緒に勉強している姿を見た時に大きく意識が変わりました。」と理事長。「新卒の職員たちは『いろんな国の友達ができた!』と目を輝かせて、互いを尊重し学び合っていました。“労働力“ではなく、“職員”。外国人の職員も日本人の職員も同じ職員としてとらえ、さらに一人一人の職員が考えていることにきちんと耳を傾ける姿勢を持つ。それが雇う側のあるべき姿の1つであることに改めて気づかされました。だって、彼らは日本に来ようっていう気持ちだけでもすごい勇気と努力をしてきた人たちですから。」と振り返ります。
18人の外国人職員の皆さんはモンゴル、ミャンマー、ネパール、タイの4か国から来日し、園では日本語で会話しています。「当初は正直〝労働力〟を受け入れるという感覚がどこかでありましたが、外国人職員と日本人の新卒職員が一緒に勉強している姿を見た時に大きく意識が変わりました。」と理事長。「新卒の職員たちは『いろんな国の友達ができた!』と目を輝かせて、互いを尊重し学び合っていました。“労働力“ではなく、“職員”。外国人の職員も日本人の職員も同じ職員としてとらえ、さらに一人一人の職員が考えていることにきちんと耳を傾ける姿勢を持つ。それが雇う側のあるべき姿の1つであることに改めて気づかされました。だって、彼らは日本に来ようっていう気持ちだけでもすごい勇気と努力をしてきた人たちですから。」と振り返ります。

Chapter.02
悩みや不安に対応できるように
新採用職員は6か月かけて介護主任・副主任による一斉研修を受けた後にユニットに配属され、各ユニットリーダーのフォローを受けながら仕事を覚えていきます。ユニットリーダーの松石さんは、ネパール出身の職員の教育担当になりました。「小さな業務であっても、なぜこの仕事をする必要があるのか、仕事の意味やその必要性について分かりやすく説明することを心がけています。すると、その真意を正しく理解してくれ、次第に業務中に気になった言葉や対応の仕方の疑問点をメモして自分から質問してくれます。あっという間に他の職員や利用者さんとうちとけたりする様子が見られたりと、目覚ましい成長ぶりに感動を覚えます。言葉の壁は3〜4か月で超えてしまいましたが、方言には戸惑うこともあるようです。それでも積極的に学び、吸収していく姿勢は介護職5年目の私も良い刺激を受けています。」
働く上での悩みや不安があれば、ユニットリーダーに相談。ユニットリーダーが解決できない場合には、介護主任・副主任と共有して対応しています。女性職員の悩みには、女性の副施設長が対応するという体制もあります。
働く上での悩みや不安があれば、ユニットリーダーに相談。ユニットリーダーが解決できない場合には、介護主任・副主任と共有して対応しています。女性職員の悩みには、女性の副施設長が対応するという体制もあります。

Chapter.03
「日本では、みんなが私の家族」
モンゴル出身のメグさんは入職3年目。日本の先進的な介護を学ぶために来日しました。「日本の介護の仕事を調べると、難しいとかつらいなどの情報も多く不安になりましたが、思い切って来てみたら全然そんなことなくて。介護は“ずっと続けられる仕事“って本当だねって思う。みんなに助けられて楽しく働いています。」とメグさんは笑顔で教えてくれました。職場の人たちから野菜を分けてもらうなど、おおらかでのどかな南相馬の人たちに囲まれ、日本語能力試験にも合格するなど順調にキャリアを積み重ねています。
チェリーさんは入職して1年半。母国のミャンマーにはお年寄りを大切にする文化があり、「お年寄りのお世話が好きで介護職に就いた」と話します。故郷の家族を思い涙することもあるチェリーさんですが、「介護の仕事は好きですし、今は利用者さんや職場の人たちを家族だと思って過ごしています」と教えてくれました。二人が口を揃えて言うのが、地域の人のあたたかさと治安の良さ。利用者さんとのやりとりを見ていても、穏やかな気持ちで働いていることがうかがえます。休日に、一人でバスや電車を乗り継ぎ市外まで安全に出かけることは「これまでにはなかった環境」です。二人の今後の目標は「介護福祉士の資格取得です」と意欲的に話していました。
チェリーさんは入職して1年半。母国のミャンマーにはお年寄りを大切にする文化があり、「お年寄りのお世話が好きで介護職に就いた」と話します。故郷の家族を思い涙することもあるチェリーさんですが、「介護の仕事は好きですし、今は利用者さんや職場の人たちを家族だと思って過ごしています」と教えてくれました。二人が口を揃えて言うのが、地域の人のあたたかさと治安の良さ。利用者さんとのやりとりを見ていても、穏やかな気持ちで働いていることがうかがえます。休日に、一人でバスや電車を乗り継ぎ市外まで安全に出かけることは「これまでにはなかった環境」です。二人の今後の目標は「介護福祉士の資格取得です」と意欲的に話していました。

Chapter.04
職員の未来像を受け止め働きやすく
「日本に永住したいという人、技術を学びたい人、母国の家族の生活を支えたい人、それぞれに異なる思いがあると思います。受け入れる側はそれぞれの未来像を受け止めていきたい」と理事長。「利用者さんにとっても、外国人職員とふれあう新鮮さが刺激になるようです。彼女たちががんばって働いている姿は、いろんな形で利用者さんの反応を引き出してくれる存在になっています。今後は全体の3割くらいまで外国人職員を増やせるのではないかと考えています。」
採用担当者でもある施設長は「かつて3Kといわれた介護の仕事ですが、そのイメージは大きく変わりつつあります。竹水園は活気のある職員が多く、明るい雰囲気が自慢です。これからも利用者さんが笑顔で過ごせるように、外国人職員の採用と合わせてICT導入による業務効率化などで、みんなが働きやすい環境を整えていきたい」と話していました。
採用担当者でもある施設長は「かつて3Kといわれた介護の仕事ですが、そのイメージは大きく変わりつつあります。竹水園は活気のある職員が多く、明るい雰囲気が自慢です。これからも利用者さんが笑顔で過ごせるように、外国人職員の採用と合わせてICT導入による業務効率化などで、みんなが働きやすい環境を整えていきたい」と話していました。

あとがき
“チーム竹水園“と言えるような強い結びつきが感じられ、和気あいあいとインタビューを受ける姿が印象的でした。それぞれの熱い想いが”介護“という仕事を通して大きな光となり、施設のこれからを力強く照らしているように感じました。(井上)