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#地域を支える方のインタビュー
介護人材確保・定着に向けた富岡町の取組
富岡町福祉課さん、特別養護老人ホーム桜の園 さん
- 取材時期
- 令和7年12月
富岡町福祉課 課長補佐 坂本功一さん
富岡町福祉課 主任兼介護保険係長 猪狩恵大さん
特別養護老人ホーム桜の園 施設長 加藤弘司さん
特別養護老人ホーム桜の園 介護職 菅原宏太さん
Chapter.01
若年世代減少で人材確保が難しく
2011年の東日本大震災で全町避難となった富岡町は、2019年以降、段階的に避難指示の解除が進み、商業施設などの生活基盤が整ってきました。桜並木で知られる夜の森(よのもり)地区も2023年4月には避難指示が解除されています。住民の避難によって、地域ごとに構築されていたつながりが希薄になってしまいましたが、ここ数年は若い世代を中心とした新しいコミュニティが形成されつつあります。そこで町は、新たなコミュニティやその取組を、必要とする人とつなげることによって地域づくりが進むよう努めています。
2025年10月末現在、町内に居住している人口は2,715人。うち65歳以上の方は758名であり、高齢化率でいえば28%となりますが、その率は県内の他地域と比べると決して高くはありません。ただし就労人口の多くは廃炉作業の関係者であり、若年世代の著しい減少が介護人材の確保の難しさに追い打ちをかけています。
2025年10月末現在、町内に居住している人口は2,715人。うち65歳以上の方は758名であり、高齢化率でいえば28%となりますが、その率は県内の他地域と比べると決して高くはありません。ただし就労人口の多くは廃炉作業の関係者であり、若年世代の著しい減少が介護人材の確保の難しさに追い打ちをかけています。
Chapter.02
事業者の声を聞き実効性を高める
2025年4月に町がスタートさせた「富岡町介護人材定着支援金事業」は、町内で介護職として働く人を増やし、長く続けてもらうための取組です。より実効性を高めるため介護事業者から聞き取った要望を反映させました。対象となるのは町内の介護事業所等に採用され、要件に該当する人で、所定の期間勤務を継続すると「就労定着支援金」を受け取ることができます。パート労働者も対象になるほか、資格がない人も3年以内の資格取得で対象となるのが大きな特徴です。また、一定の経験がある40歳以下の介護職員が町内の事業所に異動になった場合にも「就労支援金」が受け取れます。
富岡町の復興はいまだ道半ばです。しかし富岡町は「新しいまちを作っていく」というやりがいのある地域でもあります。住まいや仕事の情報提供、各種支援制度の紹介などを行う拠点である「とみおかくらし情報館」と連携しながら、町では今後も移住者支援と介護人材の確保に取り組んでいきます。
富岡町の復興はいまだ道半ばです。しかし富岡町は「新しいまちを作っていく」というやりがいのある地域でもあります。住まいや仕事の情報提供、各種支援制度の紹介などを行う拠点である「とみおかくらし情報館」と連携しながら、町では今後も移住者支援と介護人材の確保に取り組んでいきます。
Chapter.03
手厚い支援は仕事を継続する目標に
富岡第二小学校の跡地にある「桜の園」は、2022年3月にオープンした町民待望の特別養護老人ホームです。隣接する「トータルサポートセンターとみおか」には、フィットネスジムやカフェがあり、町民の介護予防を目的とした取組など、世代を超えた交流の場として活用され、新たなコミュニティづくりの拠点になっています。2年前の就任以来「桜の園」の人材確保と定着に尽力してきた加藤弘司施設長は、「就労定着支援金は働く人の目標の一つになる」と期待を寄せています。交付第一号の新卒職員にとっては「継続して働く励みになっているようです」と教えてくれました。
相双地域等で介護業務に従事される方が対象となる福島県社会福祉協議会の「奨学金貸付事業」や「就職支援金交付事業」との併用も可能です。加藤施設長は、「支援金については採用面接時にも紹介しており、仕事を続ける一つの目標になるのは間違いありません。使える事業は有効に活用したいと考えています」と話していました。
相双地域等で介護業務に従事される方が対象となる福島県社会福祉協議会の「奨学金貸付事業」や「就職支援金交付事業」との併用も可能です。加藤施設長は、「支援金については採用面接時にも紹介しており、仕事を続ける一つの目標になるのは間違いありません。使える事業は有効に活用したいと考えています」と話していました。
Chapter.04
町に移住し人生を謳歌中の介護職員
「桜の園」で勤務して2か月になる菅原宏太さんは、宮城県から移住してきた介護職員です。50歳を機に「仕事以外の楽しみも充実させたい」と思い立ち、インターネットで情報収集し就職を決めました。浜通りを選んだ理由は趣味の「海釣り」。気軽に釣りに行ける場所だったことが大きな決め手になりました。20代から介護福祉士として在宅サービス中心に働いていた菅原さんは、異なる分野の仕事に就いていた期間も長く、「介護の仕事」には久しぶりの復帰。施設内のデジタル化に少々戸惑いはあったものの、「若い人だけでなく同世代が多い職場にすんなり馴染むことができた」と言います。休みの日には、広野町やいわき市四倉まで釣りへ行き、釣果は自分でさばいて刺身や鍋料理にして楽しんでいるそうです。移住してよかったことは、「外食の機会が減り、血圧が下がった」こと。ゆったりとしていて気候が穏やかな富岡町で、人生を謳歌しています。
上司・同僚からの声
菅原さんってどんな方?
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上司の方
- おだやかな性格で利用者様への声かけが自然で丁寧です。施設での業務は久しぶりで不安もあると聞きましたが、ゆっくり業務を覚えて戦力になってもらうことを期待しています。ユニットリーダー:中野英亜(なかのひであ)さん
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同僚の方
- 率先して業務をこなしてくれ、誰に対しても穏やかに接してくれる方です。丁寧な言葉使いと優しい口調は、利用者様はもちろん職員からも高く評価されています。熊谷佐季子(くまがいさきこ)さん、鈴木豊栄(すずきとよたか)さん、林ねね(はやしねね)さん
あとがき
『「富岡って、やっぱり、いい町だよね」と実感してもらいたい。』その思いを軸に、町一丸となって一歩ずつ着実に歩みを進めている印象を受けました。記事の中にある「トータルサポートセンターとみおか」や「とみおかくらし情報館」へ、ぜひ足を運んでみてください。富岡町の“いま”がきっと見えてきます。(井上)