14 #地域を支える方のインタビュー

ただいま、南相馬

渡部 英晃 さん

勤務施設
特別養護老人ホーム 万葉園(南相馬市)
就職時期
平成30年9月
取材時期
令和3年10月18日

Chapter.01

福祉(介護)の仕事をはじめたきっかけや避難先での暮らし

東日本大震災で、地元の南相馬から新潟に家族で避難しました。 震災前は、知的障がい者の支援をしていましたが、資格がなかったこともあり、新潟での再就職が難しく、お年寄りに関係したことを始めようと初任者研修を受講していました。

その頃、妻は勤務していた職場が再開し、先に子どもを連れて戻りました。家族で戻ることも考えましたが、私は初任者研修を修了してから戻ろうと母と残りました。母には持病があり、ある時から次第に悪化して動けなくなってしまい、その結果しばらく家族が別れたまま生活することになりました。

若い時は、お年寄りに関係する仕事なんて考えてもいませんでしたが、新潟ではショートステイ専門の施設で6年間働きました。

休日は、子どもと過ごすために往復8時間かけて南相馬市まで通いました。2時間くらいしか一緒にはいられないのですが、人間慣れるんですね。

職場でも家でも介護、加えて慣れない雪かきなどもあり、胸膜炎になり救急車で運ばれたこともありましたが、おかげで精神も身体も鍛えられました。

Chapter.02

福祉(介護)の職場のやりがいと魅力

母が亡くなり、南相馬に戻ることにしました。

特別養護老人ホームに就職し、ユニットケアは初めてで慣れるまで戸惑いました。

大事にしていることは、事故がなく安全に仕事をすることです。そして、人間が相手となる仕事なので、信頼を得ていくという過程が好きです。最初は冷たかったご利用者が優しくなり、相手にしてくれなかった方もだんだん分かって人間的な繋がりができてくる。それぞれのご利用者に合わせた対応をするのが介護職の醍醐味だと思います。

職場は、色々な人がいてその人の良さや能力を活かし、お互い補い合う職場の方が有事の際に強いらしいです。そして、色々な形のでこぼこした石が組み合わさってお城を支えているように、色々な個性が集まって支えているからバッチリかみ合って職場を支えるんだと聞いたことがあり、そうだなと思いました。

若い時は、様々な仕事をしながらクリエーターになる夢を追いかけていたので、ここで絵を描いてユニットに飾っています。漫画みたいな絵ですが、どうせ描くんだったら楽しんでもらおうと思っています。

上司・同僚からの声

渡部さんってどんな方?皆さんの様子は?

同僚の方

ちょっと天然なところもありますが、自宅で描いたイラストをユニットにさりげなく飾る気遣いや温かい雰囲気が、ご利用者だけでなく職員のことも和ませてくれたり、誰に対しても分け隔てなく穏やかに接することができる方で、ご利用者からも職員からも信頼されています。また、向上心のある渡部さんと一緒に仕事をすることで、周りがいい刺激を受けているようです。

同僚の方

非常に勉強熱心な方で、介護福祉士だけではなく社会福祉主事やケアマネジャー等の資格取得に挑戦し、仕事に活かそうと考えているところや、自己管理に熱心で食事に気を付けていて体調管理を実践されているところなどいつも感心しています。

ご利用者の体調に合わせてリビングでの席が変更になるのですが、渡部さんにその席割図を作ってもらったり、絵が上手なので、芸術的センスを生かしてご利用者が参加する芸術祭にご利用者と一緒に作品を作り上げたりと多彩さを発揮しています。

あとがき

新潟でのお話を『おかげで精神も身体も鍛えられました』と淡々と結ばれ、ご苦労を乗り越えた逞しさの中に、仕事への自信や生きるポリシーを感じました。(担当:川添)